Low Table(ローテーブル)
栃のローテーブル

L=1790 W=630 H=約400 天板の厚さは約50ミリくらい

もうずいぶん前の事、指物師の知人から数枚の栃の板をもらいました。その後人間国宝になられた指物師と知人との2人で材木屋の奥から探し出して分け合った材だとの事。
ほこりだらけで一部腐ったりしているものの、指物をしている人から貰ったものという事で、下手に使うことができず、何年も何年もそのままにしてありました。

その後、その板の一部を使って3本足のテーブルを制作してみました。
仕上げのオイルを塗ると、まるでスポンジにオイルを塗っているように、どんどん吸い込むだけで艶など出てはきませんでした。
オイルは木の内部に染み込み、中で固まり、内側から木を保護します。
塗ったオイルが乾いたらまたオイルを塗りを繰り返しているうちに、やがて染み込まなくなり、それとともに艶が出てきました。

最終的に20回程塗りました。
それはそれは深い艶の大理石のような美しい天板になりました。
縦横の反りをそのままで仕上げたこの板の脚として、ブラックウォールナットから削りだした角を、別の栃の板に差し込んで独立で立つようにした2組の脚に載せるだけにしました。
角は差し込んであるだけなので簡単に抜け、バラバラにすることができます。
このとても美しい栃の板は4枚くらいあったでしょうか。
後は小さいテーブルを制作した残りがわずかに残っているだけです。